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zoom RSS 疾風(かぜ)になれ、雄介君。 〜映画『奈緒子』に期待すること〜

<<   作成日時 : 2008/01/23 01:05   >>

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先日、1月4日(金)、5日(土)と2夜連続で『のだめカンタービレ』のドラマが放映されましたね。
“inヨーロッパ”と銘打ち、原作マンガのヨーロッパを舞台に移してからのエピソードに基づいて製作されたドラマでありました。
しかし、連続ドラマの時いくら人気があったからって。ヨーロッパ部分はドラマ化するまいと思ってたんだけど。金かけたなあ。本当にやっちゃうとは。
で、まあ。原作マンガを好きだった者は。その作品がドラマ化されけたりアニメ化された際には、なにかとケチをつけたくなるもののようですが。
上野樹里さんによるのだめの演じっぷりについては。難癖を付ける者はまずいないのではないでしょうか。
それほどに、ドラマの中の上野樹里さんは“のだめ”そのものであり、まるでマンガの中から飛び出してきたかのよう、でした。
そんな上野樹里さんが。やはりマンガの登場人物に挑む映画の公開が迫っています。
『奈緒子』。
上野樹里さんが、ヒロインの奈緒子を演じられるそうです。
マンガの『奈緒子』は、1994年から2003年(続編の『奈緒子 新たなる疾風』含めて)にかけてビッグコミックスピリッツに連載されていました。
駅伝を主題としたスポーツマンガです(続編においてはマラソンに移行しましたが)。
スポーツマンガというのは、好きなジャンルです、僕は。
ストーリーが平凡でも、勝負への興味から割と楽しく読めちゃいますから。
そういった点から、描き手としても描きやすい題材であるのでしょう。
週刊少年ジャンプの黄金期と呼ばれる時代においてもよくありまくしたもんね。
勝負をテーマにした路線への変更やエピソードへの挿入。
『キン肉マン』『ハイスクルール奇面組』『ドラゴンボール』『魁!!男塾』などなどそれこそ枚挙にいとまがないわけで。
その中でも『ジャングルの王者ターちゃん』のギャグマンがから格闘マンガへの変更っぷりには一番驚かされたなあ。それこそ、受験マンガからボクシングマンガへ突然変更された『とどろけ!一番』くらいには、ええ。
ともかく、僕はスポーツマンガが好きで、中でも『奈緒子』は結構かなり好きです。
とても泣かされてしまいます。今まで読んだスポーツマンガの中でも、もっとも多くの涙を流させられた中のひとつです。
駅伝。心揺さぶられるスポーツです。
少し、原作マンガの内容についてごく掻い摘んで紹介してみると。
長崎県の波切島(壱岐島がモデル)で生まれ育った壱岐雄介は父から走りに関する天性のセンスを受け継いでいた。彼はやがて駅伝というスポーツに魅力を感じ真剣に取り組んでいくこととなる。
作中詳しく描かれる駅伝の大会は4つ。
全国中学校駅伝大会の長崎県予選大会と全国大会。全国高等学校駅伝競走大会の全国大会。全国都道府県対抗男子駅伝競走大会。
雄介がランナーとして走り、苦しい局面に陥ったときに必ず声をかけてくる存在が奈緒子であった。
なんて書くと、若大将映画の澄ちゃんのようですけど。澄ちゃんの応援で元気百倍に頑張っちゃう若大将−みたいな。
若大将の女性関係を邪推し誤解して拗ねちゃって若大将から離れていった澄ちゃん、おかげで気になって大事な試合で気合が入らない若大将。そこに悪者になりきれない青大将によって誤解を解いた澄ちゃんが試合場に現れ、黄色い声援を飛ばすのでありました、というのが大抵におけるパターンですが、若大将シリーズの。
雄介と奈緒子が背景とする事情は、それよかもう少し深刻であります。
かつて雄介が小学生のとき、父親の健介は、海難事故に遭った奈緒子を救うために命を失ったのでした。
涙ながらに「父ちゃんを返せ」と訴える雄介の声が、深く胸に刻まれたまま、生きていくことになる奈緒子・・・。
ま、その設定も、長期連載で延々と駅伝やマラソンの試合が描かれ続ける上で、随分と希薄になっていった感は否めないのですけどね。
そう。原作マンガは結構な長編となりましたので。映画化にあたっては、大幅にストーリーの改編が行われることでしょう。当たり前です。原作そのままに物語を進行させては、映画の尺がどれだけあっても足りないでしょう。
では、どのような変更が為されているのか。少し検証してみます。
映画『奈緒子』のオフィシャルサイトのストーリー紹介等から分かる範囲で。
大きなものでは。
まず、映画では雄介の兄大介は登場しないみたいで。
うん、残念ですね。この兄弟の絆の深さや、奈緒子を含めた三人の複雑な関係が描かれることがないのですか。物語のこんな最重要人物が登場しないとは。まあ、ストーリーを端折るためには仕方のないことでしょうか。
だから当然、大介の親友品川圭剛さんも存在せず。
その他、本田大作や大山権太さんらが登場しないのは、ストーリーが複雑になっちゃうし、やむをえないところでしょうか。高校時代が中心となって描かれるので中学時代の恩師や中学時代のみのチームメイトは登場しないようですね。と、思ったら、念仏走りの佐々木くんは高校生として登場するのか。いいキャラしてたもんね。そして、その煽りを食ったかどうか、本松キャプテンは登場できないようで。代わりにキャプテンとなったのは、宮崎親さんみたいですね。へーえ。
逆に映画のオリジナルキャラとなるのが、マネージャの吉澤結希、演じるのは佐津川愛美さん。彩りとして女子学生キャラをヒロイン以外にももう一人出したいとかあったのかもしれませんが、それでつくったキャラが主人公の運動部のマネージャってのは、いかにも安直ですね。西浦監督の世話を焼いたり宮崎に恋心を抱いているなど、無理やりにエピソードを作っているようです。だったら、もうちっと入れるべき原作のエピソードがあるだろう、と鑑賞後思ってしまうことでしょう。
続いて、黒田晋との対決は全国大会ではなく予選の長崎県大会のようです。
といいますか、物語のクライマックスとなるのは、高校駅伝の予選大会のようです。
原作マンガにおいては、独走で勝ったとのみ語られるだけで一切描かれることのなかった大会です。
うーん。これは仕方ないのですかね。全国大会の都大路で駅伝のシーンを撮影するのは、ちょっち無理がありますか。
けど、西浦太っちょ監督の体内に同居する居候のエピソードはあるようですから。やっぱここは全国大会でないとスケールが小さいような気がします。根性見せて、全国大会でやっちって欲しかったところです。ま。でも。無理だよなあ。
それから、奈緒子と雄介の年の差が一つ縮まっているようです。
雄介高校1年生で、奈緒子は高校3年生。これは、どうしてでしょうね。
原作では高校1年時に波切島に再び転向してくる奈緒子は、映画ではずっと東京の高校に通っている設定のようです。そして、西浦監督の計らいにより、夏合宿の間波切島高校陸上部のマネージャになる、と。マネージャねえ。ほんま、スポーツモノのヒロインはマネージャでなきゃあかんのかっちう。
原作では、波切島高校の陸上部キャプテンを務め、自分の卒業後に入部してくるはずの雄介のために陸上部の環境を整備するといった役割を担い。しかも、女子陸上部を全国大会に導き。東大に入学後に、雄介が高校1年となり入部してきた陸上部の夏合宿を手伝うことになります。
これが、奈緒子高校3年時に波切島高校の夏合宿を手伝うってことは、奈緒子自身は陸上競技をしていないことになるのでしょうかね。自分も東京の高校の選手として女子高校駅伝に出場しているなら、他所の高校の練習を手伝っている場合でもないでしょうから。
で、変更点として、一番気になってしまうのは。
高校生になった雄介が、初めて出場した駅伝で、過去の因縁が頭をよぎって。給水係をする奈緒子から水を受け取るのを拒む、という展開。
これはちょっと。
原作では、波切島に暮らす人々はみなとても大らかな人柄に描かれています。人を思いやり、まず他人のことを先に考える優しさ、それが大らかに見える所以だと。
雄介もその例外ではなく大らかな人間です。真冬でも、半袖シャツ一枚で過ごしてしまうという、ちょっと現実では考えられない奇矯な部分もありますが、それも大らかさゆえ、なのかもしれません。
そんな雄介ですから。小学生の時こそ「父ちゃんを返せ」とまで言い放ち奈緒子を恨みましたが。中学生になる頃には、既にそんな過去のこだわりを奈緒子に見せなくなります。無論、全てを忘れられるわけもないのだけど。しかし、その大らかな優しさは、奈緒子に対して自分が持つかすかなしがらみの感情さえ、決して見せようとはしません。
だから、『奈緒子』は、許す物語ではなく。許されたいと願う物語なのです。
たとえ、雄介が気にしていないと笑顔を見せても、そしてそれが本心に見えようと、それですんなりと心のしこりが緩解し笑顔になることができない奈緒子なのです。
けれど、映画では、雄介が許しを与える展開になっちゃっているような気がするなあ。どうなんだろ。
奈緒子役の上野樹里さん。不勉強で『スウィングガールズ』と『のだめカンタービレ』でしか知りませんので、僕は。
コミカルな役柄が得意なのかなと思ってしまいます。
それとは一転したシリアスーな役柄となりますから、奈緒子は。
どのように演じられるのか、とそれは楽しみな点。
なにしろ「雄介君」としか喋っていないような印象があります、奈緒子。実はそれなりにぺちゃくちゃと喋っている場面もあるのですが、どちらかというと寡黙の部類に入るのかな。
それを補うように、原作マンガの中では、折々で、奈緒子の独白が挿入されます。

疾風(かぜ)になれ、雄介君。
わたしは、思わずそう叫んでいました。
どんよりと曇った空からは白い雪が次々と舞い降りてきました。
周りではたくさんの人が大きく口を開けて選手たちを応援していました。
わたしには、寒さも感じることもなく、何も耳に入っていなかった。
ただ、走り去っていく雄介君の背中を、目で追っていました。
雄介君、高校一年生の冬。
2月16日、雄介君がスクリーンの中で走ります。

と、こんな感じの。
原作者坂田信弘さんが、ゴルフマンガ『風の大地』で多用して有名になった、いわゆる坂田節と言うのでしょうか。
この坂田節が『奈緒子』では、奈緒この独白として使用されています。
これがなきゃ、『奈緒子』じゃあないです。映画では、上野樹里さんが、どのようにこの坂田節を演じるのか、注目します。ていうか、あるよね、坂田節。
と、なんだかだ書いてきましたが。
『奈緒子』の一番の見せ場は、というと。
そりゃあ、駅伝のレースであり、中でもタスキリレーの場面でしょう。
タスキの重さ。そこまでつないできたみんなの汗の重さ、人生が染み付いた重さ。
原作においてはこのタスキの重さが丹念に描かれていました。
まあ。雄介の前を走る走者たちは、みんな自分の限界を超えた走りで奮起するも、その内の誰か一人がアクシデントによって大きく遅れてしまい、。それでもなんとかつながれたタスキを受け取った雄介が驚異的な走りで挽回する、と。毎回、どの大会でも例外なくこのパターンだったんだけど。
それでも、読むたびに涙があふれて止まらなくなります。
だから、つまり、映画では、どんなに物語の内容が変わっていてもいいから。このタスキの重さだけは、きちんと描かれていたら良いなって思うのです。
雄介だけではなく、その前を走るチームメイトの走りとその頑張りも、ね。
そうだなあ。一人当たり3分か、最低2分の尺は欲しいところです。
「雄介につなげ!」「雄介につなぐんだ!」なんてセリフとともにタスキリレーのシーンだけで次々にカットが変わっていく、なんてだけで済ましていたりしたら。悲しくなっちゃうよ、ほんと。

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